Chap-24. openSUSE を試用

 ディストリの今後の方針が見えないし、emacs の問題があるし、更にローリングリリース系とギーク風使い方の問題もあるし・・・本チャプターの更新は当分休みにします。恐縮です。



以下の記述は 2021-夏時点以前のものです。




試す事柄
 このディストリは CUI サーバインストールをサポートしています。ただし、実際にインターネットサーバの利用を考えるなら、Chap-26. にしめすサーバ向けディストリがお勧めです。それ以外のディストリのインターネットサーバ利用はあまり一般的ではありません。
なので SUSE(tw) は b. と c. をメインにチェックします。a. は軽く触れるくらい。

Sec-1.インストール
Sec-2.インストール後、最初に試す事柄
Sec-3.Windows 代替としての利用(ATW)
Sec-4.全般としての印象



Sec-1.インストール

 インストーラは GUI で、それを使って一般的な GUI のシステムにも、CUI のサーバ向けシステムにもインストール出来ます。
クリックする箇所に注意するだけ。そこは Debian AlmaLinux などと同じで好印象です。
UNIX ライクシステムとして管理するやり方は、GUI に入れても CUI に入れても同じです。この点も好印象です。
GUIについてはXfceとGNOME で試しました。




Sec-2.インストール後、最初に試すこと

 例によって普通の UNIX マシンらしく管理・設定ができるか、以下の項目を試しました。
基本的に、全て大丈夫です。

*NetworkManager を選んでおけば、IPアドレス等の管理は Debian と全く同じです。
*標準で ntp の代わりに chrony が入っています。
*GUI インストールした場合も、CUI インストールした場合も、特に管理上の違いはありません。
*各種コンパイルのために入れる必要のあるパッケージについては、Chap-7. に書いておきます。
*tumbleweed はパケットフィルタが正常に機能します。




Sec-3.Windows 代替としての利用(ATW)

 このセクションもあまり書くことがありませんが、特徴を並べてみます。

*** プリンタの設定 ***
 ドライバ等のインストールは Chap-32. の Sec-3. または Sec-4. で対応できます。Sec-4. でいくなら cups-devel をインストールします。
Sec-3.でいく場合はあらかじめ postfix パッケージをインストールしておきます。(運用しなくても可)
Sec-4. でいくなら postfix パッケージ不要です。
プリンタ登録は Sec-5. です。

*** スキャナ ***
 Yastでスキャナ設定をすれば、シンプルスキャナでも Xsane でもスキャンできます。これで wifi経由でスキャナが使えます。


プリンタ設定で Chap-32. Sec-3. でいく場合、エプソンサイトからダウンロードしておいて
# zypper in ./epson-inkjet-printer-escpr-1.7.17-1lsb3.2.x86_64.rpm
と私はやりました。(注:./ がついている)
これで調子良くプリンタが動いたのですが、# zypper refresh (更新の前準備)をすると
「システム側の 1.7.15 と違うドライバが入っているけど、置き換えるか、残すかどうする?」って聞かれます。
それで、# zypper search epson-inkjet-printer-escpr としてみたら、1.7.15 バージョンがリポの中にありました、笑。
つまり、# zypper in epson-inkjet-printer-escpr とするとリポから 1.7.15 バージョンがインストール出来るってことです。(注:./ をつけません)
15 でも 17 でも、実際はどっちでも良いです(・・・負けおしみ、笑)。


Google-chrome のインストールは以下のような具合です。

まず
https://www.google.com/chrome/
を訪問する。

*ダウンロードをクリック
*64bit(For Fedora/openSUSE) を選ぶ
*クリックするとダウンロード開始。
*「YaSTで開くか?」と聞いてくるので Yes
*インストール続行、実行
*途中、「壊れている」と出るが、無視して続行。
*それでインストールが完了して、無事に動く。

2021-08 補足
 Flatpak の利用については、Chap-31.を見てください。



2021-07 補足
 ディストリ固有のVLCを使って、市販DVD再生してみます。
Chap-31.に書いたようにFlatpak を利用してVLCをインストールすると、おそらく簡単に再生できると思います。でも、ここではディストリ固有のVLCにcodec を追加インストールして、市販DVD再生を試みます。

 1)まずディストリのVLCをインストールします。
 2)次にcodecパッケージのダウンロードとインストールです。パッケージをダウンロード出来るサイトは「Linux libdvdcss download」と検索すると簡単に見つかります。以下のサイトです。

https://pkgs.org/download/libdvdcss 

このサイトのSUSEをたどっていくと、

https://download.videolan.org/pub/vlc/SuSE/Tumbleweed/x86_64/libdvdcss2-1.4.2-2.7.x86_64.rpm

にあるのがわかります。これをダウンロードするだけ。(上記URLをブラウザのURL欄に貼り付ければダウンロード出来ます)
codec をインストールするのは、ダウンロードした libdvdcss2-1.4.2-2.7.x86_64.rpm を置いたディレクトリで

# zypper in ./libdvdcss2-1.4.2-2.7.x86_64.rpm

とするだけです。これで必要 codec がインストールされます。
以下、ディストリのVLCで市販DVDが再生できます。




Sec-4.全般としての印象

 3つの視点で評価します。
   視点a. ・・・十分安定していて、試した範囲では問題ありません。
   視点b. ・・・こちらも優秀です。Geek 風に使うのも十分対応できそうです。各種コンパイル作業も簡単です。
   視点c. ・・・割合とたくさんのパッケージがあるようです。イケると思います。

*アップデートでおかしくなることは長期お試しで使ってみて一度も発生しません。リポも安定しているようです。
*世間では Debian、Redhatクローン、Ubuntu ほどの評価ではないと思いますが安定感はあります。
*サーバ運用でもそれなりにいけそうに思いますが実績は少なそうです。
*基本的にカテゴリー2ということは、運用途中でセキュリティホール等が発見されてもマアマアの早期対応が可能と思われます。



 SUSE って設定をいじったりしたとき、他のディストリに比較してリブートする頻度が高い。マメにリブートしたほうが良いって意味です。
 CUI で更新をやるのが好みにあう自分にとって、SUSE の packagekit はちょっとうっとおしい。CUI での更新を邪魔しちまいます。
しかも、# systemctl disable packagekit と # systemctl stop packagekit をやっても、次に電源入れると、また packagekit デーモンが立ち上がっていて、しつこい!
どうやら、# systemctl stop packagekit に加えて # systemctl mask packagekit ってやると、もう立ち上がらなくなるようです。
しつこい packagekit が嫌いな人は試してみてください。