2025ー11 Redhatクローンです。試すのはバージョン 10.0 です。
これまでチェックした他のディストリと同じように、以下の3つの視点で使いやすいかどうか見てみました。
a. と b. が重点項目ですが、a. は以前に調子が良かったので今回は試さず、b. c.を試します。
お試し DE は GNOME のみとします。
Sec-1.インストール
Sec-2.日本語入力の設定
Sec-3.インストール後、最初に試すこと
Sec-4.最初に試すこと
Sec-5.Windows 代替としての利用(ATW)
Sec-6.全般としての印象
使うのは、メモリ16GB、SSD 120GBです。AMD-ryzen-3400G +B450 マザボです。内臓 GPU 利用です。
このインストーラ(Anaconda)はCalamaresと並んで優秀なインストーラです。やりやすいです。
インストール作業そのものは簡単なので省略です。
インストール完了したら最初に、selinux の無効化と、リポの追加をしておきます。
geek 系利用なら selinux は不要だと思っています。
selinux の無効化は /etc/selinux/config の中で SELINUX=disabled としてリブートするだけです。
(注:SELINUXTYPE= のところは触らない。ここを間違えて書き込むと OS が立ち上がらなくなるそうです、汗)
リポについては Fedora を追加し、更に /etc/yum.repos.d 内にある各種リポを有効化しました。
------ (Fedora repo) ------- # dnf install epel-release # nano /etc/yum.repos.d/epel.repo 「priority=10」を追記。 書き直した後 # dnf update ----- (各種リポの有効化) ------ /etc/yum.repos.d 内のファイルでデバック・ソース以外の最初のリポで enabled=1 と記述するだけです。私は全部有効化します。(それが正しいやり方かどうかは、未確認ですが・・・笑)
修正後のソフトウェア(パッケージインストーラ)を見ると、修正前よりかなりソフトが増えていました。十分とは言えなくても、ありがたいことです。
また、私はマイルールでファイアーウォールをやります。サーバ組み込み+セキュリティ対策をやるなら、マイルールでいく方がやりやすい。なので firewalld も無効化しておきます。
# systemctl disable firewalld # systemctl stop firewalld
これでファイアウォールは自分の設定で動かすようになります。
flatpak 板の fcitx5-mozc が正常に動きます。ただし、インストールのやり方は少しクセがあります。
mozc は flatpak から入れます。
# flatpak install mozc
fcitx5 はGUIの gnome-softwareから入れないとアイコン化されず、正常に動きません、汗。
次に flatpak 版の拡張(青いヤツ)を入れ、input-method-panel を入れて、これを有効化します。
次に、dnf で gnome-tweaks を入れます。(epel-release のリポを有効化しておくと、gnome-tweaks が入れられる)
この gnome-tweaks を使って初期起動ファイルに fcitx5 を登録しておきます。
これでリブートすると右上に input-method-panel が現れます。そこを右クリックーー設定として、キーボードを日本語にします。
続いて、アドオンを押して XinputMethod フロントエンドをクリック
そこで以下のようにします。
これで、リブートすると fcitx5-mozc で日本語入力できるようになります。
flatpak 版の chromium と evolution に無事に入力できました。
今回のお試しでは flatpak 版の fcitx5-mozc が調子よく動いたため、mozc のセルフビルドは試していません。
例によって普通のUNIXマシンらしく管理・設定ができるかを試します。
冒頭に書いたことのうち、主に a. b. 利用のためのチェックをやります。
で、試すことは以下のようなことです。
以下、Sec-4. に順に書きます。
IPアドレスとリゾルバ
CUIインストールして nmcli コマンド・・・問題なく動きます。
/etc/NetworkManager/system-connection/hoge をエディターで管理・・・問題なく動きます。
GUI で管理・・・問題なく動きます。が、GUI だと search-path の設定は出来ません。後で管理ファイルをエディター編集します。
/etc/rc.local
Debian と基本的に同じやり方でオケです。rc.local が /etc/rc.d/ の中にあるという点が違うだけです。Chap-13. Sec-5. 見てください。
パケットフィルタ
全く問題なく普通に動きます。
デーモン管理
Debian と基本的に同じです。Chap-13. Sec-7. 見てください。
シリアル回線
cu コマンドはありません。このため taylor UUCP 1.07 のソースを持ってきてコンパイル・インストールしようとしたのですが、./configure が正常に動きませんでした。やむなくパッケージにある minicom を使いました。個人的に minicom より cu が好みですが、致し方ないです。
回線速度を 9600 にするだけで minicom を使って usb-RJ のケーブルで問題なくルータの制御が出来ました。
nginx、postfix、guile、lua のコンパイル
問題なくコンパイル・インストール出来ます。Chap-7. に大まかに書いています。
実は 10.0 が出たハナは開発パッケージが一部不足していて、コンパイル出来ないものがありました。10.0 登場から何ヶ月か経過して、今では無事に開発パッケージが揃っています。どうやら当初は一部を入れ忘れていたように見えます。
なお、いままで pcre-devel を入れていましたが、Alma 10.0 では pcre2-devel です。
デフォルトのままだとパッケージは最小限ですが、私が使う程度のものはほぼ揃っているのでデスクトップ利用でもそれなりです。
Fedoraのリポを追加し、flatpak を有効化すると十分にイケます。
Flatpak 利用については Chap-31 に書いています。
プリンター スキャナ
我が家のプリンターがとうとう壊れました。プリンターは試していません。(もう、家でプリンターは使わないし、買い替え購入はしません)
flatpak 版のドキュメントスキャナ(simple-scanner) でスキャナは問題なく動きます。ネットワーク経由でも USB 経由でも問題ありません。
ブラウザ
最近いずれのディストリでも Firefox が調子が良くないようです。結構な頻度で問題発生します。
これは firefox が調子が悪いと言うより、ウェブサイトが firefox を時たま受け付けない模様です、汗。
なので、Flatpak から chromium と google-chrome を入れました。これらは調子良く動きます。
メーラ
flatpak 版の evolution が調子よく動きます。迷惑メール対策のフィルターは evolution が具合が良いです。常に flatpak 版を利用するならディストリ・チェンジが簡単です。
オフィス
flatpak 版の Libre-Office が使えます。全然問題なしです。
画像ソフト
flatpak 版の Gimp が使えます。問題なく動きます。十分良好です。
パッケージのアップデート
GUI のソフトウェアでも、terminal から # dnf update とやっても、どっちでも大丈夫です。問題は無いです。
VLC の利用、市販DVDの再生
Flatpak版 vlc で簡単に市販DVDが視聴出来ます。
以上です。最近はおおよそほとんどのソフトウェアが flatpak 版になっているようです。
2025-01 から 03 頃に一時的に flatpak がおかしくなったと記憶しています。distrowatch によればメンテナーがいなくなっておかしくなったらしい。
2025-11 時点では新たなメンテナーが参加して安定稼働になりました。
flatpak は自前でパッケージメンテをやらなくても、サンドボックスさえ面倒を見れば良い手法。合理的です。
しかし、年始頃のように flatpak 自身がおかしくなってしまうと、にっちもさっちもいきません。
私は Slackware 等で flatpak に頼っている関係でこういう問題には焦ります、笑。
余談ですが、Xfce は ver10.0 では無くなったようです。KDE は無事にインストール出来て無事に動きました。
# dnf groupinstall KDE
とするだけでした。KDE は高機能すぎて使いこなせません、笑。
3つの視点で評価します。
視点a. ・・・以前利用した際に安定していて優秀でした。今回は繰り返しになるので試していません。
視点b. ・・・Geek 風に使うのも十分対応できそうです。各種コンパイル作業も簡単です。
視点c. ・・・当初のパッケージソフトはすごく少ないですが、リポの追加等で快適になります。
Chap-26-2. でいうカテゴリー1です。一番信頼度の高い分類。やや古めのバージョンを使いながら、Redhat社がパッケージの中身まで手をいれて、セキュリティフィックスやバクフィックスをしています。これがうまく機能していて、セキュリティ上も安定性でもとても優れた仕上がり具合です。
また、ネット上の情報がかなりハイレベルで優秀です。情報収集には困らないと思います。
セキュアで安定したディストリです。
Redhat 社の方針変更以来「クローン・ディストリが継続的に使えるかどうか」に不安を感じていました。が、各 Redhat クローンディストリが安定運用されています。案外、心配したほどでは無いのかもしれません。それにしても OpenELA は何なんでしょうか? 良く分からないことだらけです、笑。
改めて AlmaLinux と Rocky の情報を調べてみたら Alma は「RedHat と ABI互換」を基本としていて、Rocky は「バグも互換」を目指しているようです。なので Alma は完全互換では無い模様です。「ABI 互換がキープ出来るならバグは修正しても良い」という考え方なのでしょう。
個人的に「RedHat と互換」にはこだわらないので、どっちかというと Alma の行き方の方が私にはあいます。なんなら、RedHat フォークでも良いかなあ・・・とすら思っています。
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