Sec-1.Salix 及び Slackware
Sec-2.Debian-stable、Ubuntu 及びその派生
Sec-3.Redhat クローン(AlmaLinux)
Sec-4.Arch派生(Manjaro、ArcoLinuxなど)
Sec-6.openSUSE (tw) 及びその派生
Sec-7.Clear Linux
1)チェックするディストリ(つまりお試しするディストリ)の選定は、基本的に Chap-26-2.の考え方をベースにして、インストールが容易なものを選んでいます。
2)カーネルコンパイルについては最近はチェックしていません。記述を無くしました。
上記1の考え方をとる場合、自分でコンパイルする必要性はほぼ無いです。(コンパイルオプションを変えて自分が必要な機能を追加する時くらい)
上記2)のようなことを言うと、そもそもメルサバ、ウェブサバ、言語処理系だってコンパイルする必要はないだろうって突っ込まれそうですが、笑。
3)guile、lua をインタープリターとかスクリプト処理で使う分には、以下のようにコンパイル・インストールして問題ないと思います。
ただし、組み込み(埋め込み)の開発系(guile、lua をCプログラムに組み込む)に使う場合は、自分でコンパイル・インストールしたものと最初からシステムが持っているものが競合すると思います。
なので組み込みに利用するならシステム標準のものを使い続けたほうが良いです。(自分でコンパイル・インストールしない方が良い)
もっともシステムがその開発セットを持っていない場合(例えば Slackware は 3ヶ月くらい前まで Lua を持っていなかった)は、自分でコンパイル・インストールしなければなりません。でも持つようになったら自分で入れたものを削除しないといけません、随分と面倒ですが・・笑。
(1)----- Postfix -----
(準備)
# slapt-get -i libnsl
(コンパイル・インストール作業)
$ make -f Makefile.init makefiles AUXLIBS=-lnsl $ make -j N (N は利用CPUの可能スレッド数よりちょい少なめを適宜選ぶ) # make install
(インストール後の作業)
特に無し。main.cf、aliases 等を編集するだけです。
(2)----- Apache -----
(準備)
apr、apr-util を事前にインストールします。source は apache のサイトにあります。2022-10 時点の最新版は apr-1.7.0、apr-util-1.6.1 です。
apr、apr-util のソースを展開し、その中で
(apr) $ ./configure --prefix=hoge1/apr-1.7.0 $ make -j n $ make install (apr-util) $ ./configure --prefix=hoge2/apr-util-1.6.1 --with-apr=hoge1/apr-1.7.0 $ make -j n $ make install
(コンパイル・インストール作業)
$ ./configure --prefix=hoge3/httpd-2.4.54 --with-apr=hoge1/apr-1.7.0 --with-apr-util=hoge2/apr-util-1.6.1 $ make -j n $ make install
(インストール後の作業)
特にありません。httpd.conf を適宜編集するだけです。
(3)----- guile -----
(準備)
特に無し。
(コンパイル・インストール作業)
$ configure --prefix=hogehoge $ make -j N # make install
(インストール後の作業)
シェアードオブジェクトの所在をOSに登録する必要があります。
たいてい、/etc/ld.so.conf.d/ ディレクトリの中にライブラリの場所を書いたファイルを入れます。後は ldconfig やるだけ。
(4)----- Lua -----
(準備)
Makefile 中でインストールする場所を指定します。また src ディレクトリ中の makefile をいじって -fPICオプションをつけます。
つける場所は大抵、MYCFLAGS
(コンパイル・インストール作業)
$ make -j n linux AUXLIBS=-ltermcap # make install
(インストール後の作業)
特に無し。
Salix は apr、apr-util の扱いにクセがあります。
*** 次は Slackware ***
(1)----- Postfix -----
(準備)
特になし
(コンパイル・インストール作業)
$ make -f Makefile.init makefiles $ make -j N (N は利用CPUの可能スレッド数よりちょい少なめを適宜選ぶ) # make install
(インストール後の作業)
特に無し。
(2)----- Apache -----
(準備)
特になし
(コンパイル・インストール作業)
$ ./configure --prefix=hogehoge $ make -j n $ make install
(インストール後の作業)
特にありません。httpd.conf を適宜編集するだけです。
(3)----- guile -----
(準備)
特に無し。
(コンパイル・インストール作業)
$ configure --prefix=hogehoge $ make -j N # make install
(インストール後の作業)
シェアードオブジェクトの所在をOSに登録する必要があります。
たいてい、/etc/ld.so.conf.d/ ディレクトリの中にライブラリの場所を書いたファイルを入れます。後は ldconfig やるだけ。
(4)----- Lua -----
(準備)
Makefile 中でインストールする場所を指定します。また src ディレクトリ中の makefile をいじって -fPICオプションをつけます。
つける場所は大抵、MYCFLAGS
(コンパイル・インストール作業)
$ make -j n linux AUXLIBS=-ltermcap # make install
(インストール後の作業)
特に無し。
Slackware は Arch と並んでフリーソフトウェアのコンパイルが楽です。
(1)----- Postfix -----
(準備)
バークレーのデータベースライブラリ libdb-dev と m4 プリプロセッサをインストールしておきます。
# apt install libdb-dev m4
(コンパイル・インストール作業)
$ make -f Makefile.init makefiles $ make -j N (N は利用CPUの可能スレッド数よりちょい少なめを適宜選ぶ) # make install
(インストール後の作業)
/usr/lib/senemail がある場合はこれを rm します。
また、別のメルサバ(exim4 等)が動いている場合は、Postfix の動作確認する前に止めておきます。
動作確認するとき、mail コマンドが入っていないことがあります。GNUのソース(mailutils-3.7.tar.gz 等)を持ってきて自分でコンパイル・インストールするか、あるいはパッケージに mailutils、mailx、s-nail 等というのがあればどれかをインストールします。それで大抵 mail コマンドが入ります。
ただし、ディストリによっては postfix まで同時に入れる場合があります。そうなると自分でコンパイル・インストールしたものを上書きされそうです。要注意です。
(2)----- Apache -----
(準備)
いくつかのパッケージをインストールします。
# apt install libapr1-dev libaprutil1-dev libpcre3-dev libssl-dev
(コンパイル・インストール作業)
$ configure --prefix=hogehoge $ make -j N # make install
(インストール後の作業)
特にありません。httpd.conf を適宜編集するだけです。
(3)----- guile -----
(準備)
以下のように、いくつかのパッケージをインストールします。
# apt install libltdl-dev libgmp3-dev libunistring-dev libgc-dev libffi-dev pkg-config
(コンパイル・インストール作業)
$ configure --prefix=hogehoge $ make -j N # make install
(インストール後の作業)
シェアードオブジェクトの所在をOSに登録する必要があります。
たいてい、/etc/ld.so.conf.d/ ディレクトリの中にライブラリの場所を書いたファイルを入れます。後は ldconfig やるだけ。
(4)----- Lua -----
(準備)
libreadline-dev パッケージをインストールします。
Makefile 中でインストールする場所を指定します。また src ディレクトリ中の makefile をいじって -fPICオプションをつけます。
つける場所は大抵、MYCFLAGS
(コンパイル・インストール作業)
$ make linux AUXLIBS=-ltermcap # make install
(インストール後の作業)
特になにも無かったと思います。
AlmaLinux 8 の場合は /etc/yum.repos.d/ の中の PowerTools で enabled=1 としておきます。
AlmaLinux 9 の場合は almaLinux-crb.repo で enabled=1 としておきます。
CUI インストールの場合は redhat-rpm-config を入れる必要があるかもしれません。
コンパイルするために入れるパッケージは以下の具合です。
(Postfix) # dnf install libdb-devel libnsl2-devel m4 (m4 は cui インストールしたときは必要かもしれません。GUIインストールしたときは自動的に入っていると思います) (Apache) # dnf install apr-devel apr-util-devel pcre-devel openssl-devel (guile) # dnf install libtool-ltdl-devel gmp-devel libffi-devel libunistring-devel gc-devel (Lua) # dnf install readline-devel
コンパイル・インストール作業・インストール後の作業
ほぼDebian と同じです。
ver9 では mail コマンドを s-nail パッケージを入れて導入しました。
コンパイルするために入れるパッケージはほぼありません。
(postfix) 無し。(注:もしかしたら m4 を入れるかも) (apache) もしかしたら # pacman -S apr apr-util pcre かもしれません。 (guile) 無し。(注:もしかしたら pkgconf を入れるかも) (lua) 無し
以前はpostfix コンパイルのために /usr/include/resolv.h を修正する必要がありました。
2022ー06現在、その修正は必要無くなっています。
コンパイル・インストール作業・インストール後の作業
ほぼDebian と同じです。
2022-10
Postfix あるあるですが、カーネルが 6.0.x に上がったのでカーネルチェックで引っかかって最初の
make -f Makefile.init makefiles
が通りません。単にカーネル番号に対して「はぁ? 6.0.x・・・そんなん知らんわ。ヤメタ!」って言ってるだけ。
この場合は、カーネルが 5.19.x の Arch 系の入った SSD を残しておいて、最初の make だけそこでやります。
その後、それを tar 玉にして 6.0.x の方に持って来れば以降のコンパイルが出来ます。それで問題無いです。
Arch 本体については Chap-33. Sec-5. に補足しています。インストール時期によってはここに上げた Arch 派生と少しやり方が違うと思います。
このセクションは削除しました。
コンパイルするために必要なパッケージは、以下のとおりです。
(postfix) # zypper install gcc-c++ libdb-4_8-devel m4 libnsl-devel (apache) # zypper install libopenssl-devel apr-devel apr-util-devel pcre-devel (guile) # zypper install libtool gmp-devel libunistring-devel libffi-devel gc-devel (lua) # zypper install readline-devel
なお、以前はpostfix をコンパイルする際、最初の make は
$ make -f Makefile.init makfiles AUXLIBS="-lnsl"
としていました。2022年時点では AUXLIBS="-lnsl" のオプションは要らなくなっています。
また lua のコンパイルは普通に
$ make linux AUXLIBS=-ltermcap
で良くなったようです。
結局、全部普通になった、笑。
コンパイルするために必要なパッケージは、以下のとおりです。
(postfix) desktop-dev, storage-utils-dev (apache) devpkg-apr-util, devpkg-pcre, devpkg-openssl (guile) devpkg-gc (lua) なし
パッケージをインストールするコマンドは # swupd bundle-add hoge なんて感じで、打鍵量が多いです。
コンパイル及びその後の作業は Slackware、Debian などと基本的に同じです。
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