2024-08 MX-23.3 になっていますが、以下の記述と特に変わりないです。なので内容更新しません。
初稿 2019-夏。 書き直し 2023-07 MX-23 beta2
*2023 初夏現在、使い方については以下の3つの視点で見ています。( Chap-26. 参照)
*また、セキュリティ上の視点では「セキュリティやバグのフィックスをいつ誰がやっているか?」の視点で見ています。(Chap-26-2. 参照)
このディストリは基本的にサーバ利用は考えていないと思います。このため a. 系は対象外。
以前はこのディストリを c. 系利用専用のものと捉えてチェックしました。しかし systemd + NetworkManager 利用で OS 管理が Debian とよく似てきました。なので b. c. 系で Debian の代替として使いやすいかという見方でチェックしました。23 は beta2 ですが既にこの段階で十分に安定しています。
Debian が 12 になった関係で派生ディストリは更新に忙しそうです。これまでの例でいくと Devuan はゆっくり追随。MX は割合と早く追随します。antiX は追随する気があるのかないのか、よくわからないディストリです。が、今回 antiX は比較的早く beta2 を出しました。antiX に関しては久しくアップしていないので早めにお試ししたいと考えました。が、入れてみても上手く入りません。同じ beta2 でも MX のほうがずっと完成度が高い。
それで真っ先に MX からお試しすることにしました。
Sec-1.インストール
Sec-2.日本語入力の設定
Sec-3.インストール後、最初に試すこと
Sec-4.Windows 代替(ATW)としての利用
Sec-5.全体を通しての印象
使うのは 23-beta2 です。お試しは AMD ryzen 3400G + A320 マザボ という構成です。グラフィックスは内蔵 GPU を使います。イーサネットは broadcom-5722 または intel-1000CT です。
ハードウェアへの適合に優れていて、クセのあるノート PC でも大抵うまくインストール出来る優れもののインストーラだと思います。
例によってインストール作業は省略です。
今回は気まぐれで ibus-mozc を入れました。
# apt install --install-recommends ibus-mozc
これでリブートすると日本語入力が出来ます。いろんなパッケージをセレクトするのが面倒なので --install-recommends オプションのお世話になりました。随分たくさん入ってしまうけど気にしない。
ibus なのでキーのショートカット割付変更が不可避だと思います。やらないと使いづらい。やり方は chap-27. Sec-3. 参照です。
以前は日本語 IM 関係の指定を .xprofile あるいは .bash_profile 等に記述しましたが、今どきは何もしないでも日本語入力出来ます。随分と熟成されたと思います。良好です。
Debian 代替を意識しているので systemd で立ち上がるようにしておきます。MXツールを使うと default で systemd を使うように設定出来ます。
以下は、b. 系利用のときに使う事柄です。何も問題ありません。違いは /etc/rc.local が最初から使えるようになっていることくらいです。ほとんど Debian と同じなので説明省略です。(2024-08:シリアル回線の制御に一部問題が生じます。Chap-13. 参照してください)
Spectre-meltdown 対応のチェックは重要だと思います。ただし我が家のお試しマシンは CPU レベルで対応できています。このためチェックのしようがありません。対応の必要がある CPU 利用ならば、自分のマシンでチェックしてください。
最近気がついたのですが、今どきは大抵の DE で caps-lock と ctrl の設定が簡単にできるようです。xfce4、KED-plasma、GNOME だと GUI で出来ます。
以前は setxkbmap -option ctrl:swapcaps とか GNOME だと gsettings set org.gnome.desktop.input-sources xkb-options "['ctrl:swapcaps']" とか .bashrc に書いていました。GUIで出来るようになったのがいつ頃なのか知りません。自分が無知でした、笑。
2024-08: 補足:USB-RJケーブルを使うと CU コマンドがハングアップします。ちょいシリアル回線制御が不調です。
Windows 代替(ATW)として使いやすいかどうか、ポイントだけ書いておきます。
プリンタ・スキャナ
プリンタ設定関連は Chap-32 に書いているとおりです。
MX-21 の頃は私のプリンタ PX-048A のドライバ類を最初から持っていました。しかし MX-23-bera2 は持っていません。なので epson-download-center からソースをダウンロードしてコンパイル・インストールしました(要:libcups2-dev)。 簡単に入りました。基本的に Chap-32 のとおりです。
もちろんコンパイル済みの deb パッケージをダウンロードしてから apt コマンドで入れるのもアリです。ただし LSB + Debian だと関連でものすごくたくさんのパッケージがインストールされます。なんとメルサバまで入ってしまうと思います。それがわずらわしいなら自分でコンパイルに限ります。それだとドライバー等だけが入ります。
なお、セキュリティ上の理由から /etc/nsswitch.conf を修正して mDNS を無効化しておいたほうが望ましいと思います。LAN 内にユーザ一人だけなら関係ないですが・・・
ドライバーなどを入れた以降の設定は Chap-32 を見てください。
スキャナもいろいろ使えます。問題ないです。
ブラウザ
デフォルトで Firefox が入ってます。
この Firefox で問題なくアマゾンプライムの映画が視聴出来ます。
また、Yahooの動画の一部は user agent switcher ってのを入れると視聴出来るようになります。
もしも標準装備の Firefox よりも動画視聴の良いものを求めるなら、Google-chrome のインストールが良いと思います。
デズニープラスは 2021-11 時点では Google-chrome でないと再生できませんでした。2023-07 時点で Firefox で予告編を見たら普通に見ることが出来ました。今は加入していなくて本編は見ていないのでなんとも言えませんが、もしかしたら Firefox で視聴できるようになっているかもしれません。
google-chrome もMXパッケージインストーラにあるので、そこから簡単にインストール出来ます。apt コマンドでは入りません。
ゴーグルのサイトから deb パッケージをダウンロードしてインストールするのも簡単です。
google-chrome は flatpak 版も使えると思います。
メーラ
sylpheed、sylpheed-i18n を入れれば、日本語メニューで sylpheed が使えます。パッケージは豊富にあるので他のメーラー(evolution、thunderbird 等)もいけます。
オフィス
libreoffice が最初から入っていましたがメニューが英語表示でした。libreoffice-l10n-ja を入れればメニュー表示が日本語になります。
画像ソフト
Gimp が使えます。問題なく動きます。gimp のパッケージだけ入れればメニューは日本語になります。
vlc
最初からVLCが入っていました。追加で libdvd-pkg を入れて dpkg-reconfigure してみたら入ったので多分初期設定は libdvdcss の無いインストールだと思います。
libdvd-pkg インストール、dpkg-reconfigure 後には市販 DVD が視聴出来ました。
パッケージのアップデート・インストール
MXupdater でも apt update + apt upgrade でも問題なく更新出来ます。
新規パッケージインストールも GUI CUI どっちでも簡単です。
以上です。
このセクションは私の独断的、個人的な印象のみです。
*まず使い方の3つの視点から見た評価です。
a. の利用について・・・・・・・対象外
b. の利用について・・・・・・・基本的に良好です。
c. の利用について・・・・・・・基本的に良好です。。
*次にセキュリティー上の視点からの評価ですが、これは基本的に Debian-stable と同じ。とても優秀と考えられます。
*その他
・インストーラが扱いやすくでDebianでうまくインストール出来ないノートパソコン等でも割合とインストールしやすい。
・プロプラ系に前向きで最初から使いやすい。ただし最近は Debian も non-free-firmware を有効化していて使いやすくなっているので派生ディストリの優位性が少し薄れつつあります。
・MX は systemd + NetworkManager 利用で使えるので、実質的に Debian と同じ管理ですみます。
・MXのツール群がおそらく人気の一つの理由かと思います。ツール郡は割合と使いやすいです。
・シリアル回線不調は原因が分かりません。
以前のチャプタは以下に保存しています。
一つ前 https://www.quinos.net/topich/topich.02.html 二つ前 https://www.quinos.net/topich/topich.01.html