Chap-17. MX Linux を試用

 Debian 派生でなおかつ systemd-free な MX Linux を試してみます。バージョン 18.3 です。
2020-05-01 補足。19.1でも試してみました。Sec-2. Sec4. Sec-12. を少し修正です。他は特に変わっていません。
2020-06-17 補足。19.2になってカーネルが新しくなりました。意欲を感じますが、特に管理・運営上変わった点は無いと思います。
Chap-13. や Chap-14. と同じように、以下の3つの視点で使いやすいかどうか見てみました。

ただし、このウェブサイトは PC-UNIX Room と言っているとおり、主にa. と b. の視点重視です。

Sec-1.インストール
Sec-2.日本語入力の設定
Sec-3.インストール後、最初に試すこと
Sec-4.IPアドレスとリゾルバーの設定
Sec-5./etc/rc.local は簡単に使えるか
Sec-6.カーネルのアップデートは簡単か?(パケットフィルタは普通に使えるか?)
Sec-7.デーモンのコントロール
Sec-8.GUI を落としてコンソールで簡単に利用できるか?
Sec-9.Dat ドライブは普通に使えるか?
Sec-10.シリアル回線使ってルータ管理できるか?
Sec-11.Apache、postfix、guile、lua は簡単にコンパイル・インストールできるか?
Sec-12.Windows 代替としての利用(ATW)
Sec-13.全体を通しての印象



Sec-1.インストール

 使うのは、メモリ8GB、SSD 120GBです。
インストール自体の詳しいことはあちこちのウェブサイトにあるので、書きません。気になった点だけ。
基本的に、パーティション分割は /、/home、swap の3つだけみたいです。しっかりインストーラをマスターすれば Debian や Devuan 同様に、/var、/tmp も作れると思いますが、普通にやると3つだけですね。
Gdisk が使いやすく表示されているので、適当に容量を決めてインストールしました。
先に進みます。




Sec-2.日本語入力の設定

 まず、apt が見ているサイトの修正です。antiX も一緒ですが、当初見ているサイトがどうやらおかしいようです。apt update すると変なエラーを出します。なので変更します。
当初は、deb https://mirrors.cat.net/mx-packages/mx/repo/ stretch main non-free ですが、これはダメなようです。
MX Linux の repos -- soreces.list -- MX 18 を見ると、
deb http://la.mxrepo.com/mx/repo/ stretch main non-free なんてことになってますので、これに直します。
すると、apt update しても変なメッセージを出さなくなりました。

 ここ最近にインストールした PC-UNIX 系OS で日本語入力のパッケージを入れないとダメなのは、始めてです。ちょい戸惑いました。
日本語表示は最初から普通に出来ています。でも、日本語入力はそのためのパッケージを入れないとダメ。
ネットの記載をみて試してみたのですが、結構失敗します。ネットでも「日本語入力設定はデリケートだ」とか「日本語入力設定に苦労する」とか書いてあります。
私がうまくいったのは、以下のサイトの記載でした。著者さん、ありがとうございます。

"LOOX M/G30にMX-18.3をインストールした" というサイト
https://plaza.rakuten.co.jp/sorriman/diary/201906260000/

内容は、そっくりそのままですが一応ここにも書いておきます。詳しくは上記サイトを見てください。

# apt update
# apt install fcitx-mozc im-config zenity fcitx-frontend-gtk2 fcitx-frontend-gtk3 fcitx-config-gtk2

# im-config
これで、日本語入力システムとして fcitx を選ぶ

後、念の為に
# apt install firefox-l10n-xpi-ja task-japanese task-japanese-desktop

以上、書いてあるとおりにやったら日本語入力ができるようになりました。

いろいろなサイトでは MXTools のインストーラを使ったやり方が書いてありますが、何故か私のところではうまくいきませんでした。
上記のやり方でなんとかなりました。


補足:.xprofile を作ると、im-config やらなくても良いみたいです。

export GTK_IM_MODULE=fcitx
export XMODIFIERS=@im=fcitx
export QT_IM_MODULE=fcitx

こんな感じでホームディレクトリに .xprofile を作っておけば、im-config やらなくても日本語入力ができるようです。19.1で試しました。




Sec-3.インストール後、最初に試すこと

 普通は、ユーザ登録とか、各種パッケージソフトのインストールとか、使いやすくすると思います。
でも、ここでは本チャプタ最初に書いた a. や b. の使い方が普通にできるか?普通のUNIXマシンらしく管理・設定ができるかを中心に試します。

以下、順に試していきます。




Sec-4.IPアドレスとリゾルバーの設定

 Devuanではそれぞれ別個に管理しますが、MXは両方一緒に管理しています。なので、一緒に書きます。
やることは、/etc/network/intefaces の編集です。このファイルに、IPアドレス関係のこと、default-gatewy、ネームサーバ、サーチリストを全部書きます。
以下の感じです。Devuanと似ていますが、ネームサーバやサーチリストまで書くところが、違いますね。Devuan だと、resolv.conf を直接エディターで編集しますが、MX は「勝手に編集しちゃいかん」と resolv.conf の冒頭に書いてあります。

## sample of /etc/network/interfaces (関係箇所のみ)
##
auto eth0
iface eth0 inet static
      address       192.168.0.1
      netmask       255.255.255.0
      gateway       192.168.0.254
      dns-nameserver  192.168.0.254
      dns-search    quinos.net
##
## 192.168.0.254 はヤマハルータでゲートウェイ、かつ、これにネームサーバやらせてます。

普通は、これで ifup と ifdown を使えば、所望のアドレスに変わるはずですが、MX はここがちょっとうまく作動しなかったです。で、リブートしましたら、調子よくいきました。
IPアドレスも変わったし、/etc/reslov.conf を見たら、ちゃんと所望のネームサーバ、サーチリストになりました。オケです。


補足:19.1 になってやり方が変わりました。
19.1 では NetworkManager を使って、IP address や resolver の管理をしています。確か(あまり記憶に無いですが)18.3 では NetworkManager 使ってなかった気がする。
なので、19.1では現行 Debian 10.x と同じやり方です。Chap-19. Debian の「今風、GUIインストール」のところを見てください。あのとおりです。

NetworkManager って systemd とセットで使うものだとばかり、思ってました。このディストリはsystemd-free ですが、NetworkManager 使ってます。
そういうやり方もあるんですね。




Sec-5./etc/rc.local は簡単に使えるか

 使えるか?なんて無用の議論でした。最初から入っているし、書き足していくだけです。簡単そのもの。当たり前に動きます。






Sec-6.カーネルのアップデートは簡単か? (パケットフィルタは普通に使えるか?)

基本的に、Debianと同じです。Chap-7. Sec-2. を見てください。なお、パケットフィルタも問題なく、オケでした。






Sec-7.デーモンのコントロール

 Devuan、MXLinux、antiX は皆同じ SysV 系の init を使っています。その場合には insserv コマンドでデーモンコントロールができます。なので、やり方は基本的に devuan と全く同じです。簡単にできる、すなわちオケです。
なお、Devuan のチャプタでは GUI について調べてなくて書きませんでしたが、MX では(きっと Devuan も)GUI でデーモンのコントロールが出来ます。普通にやるならそっちの方が簡単ですね。






Sec-8.GUI を落としてコンソールで簡単に利用できるか?

 MX はありがたいことにデスクトップにマニュアルが貼り付けてあります。
早速これを見ました。すると、ちゃんと runlevel の説明があります。読んでみると、ごく普通の Linux 。
runlevel 5 が GUI で runlevel 3 が非 GUI モード。
なので、/etc/inittab の最初の方にある default runlevel (最初は 5 になっている)を 3 に変えてリブートします。
狙い通り、GUI なしのコンソールで立ち上がりました。でも(笑)見るとログインメッセージ付近に、変なエラーメッセージが出てます。
エラーメッセージは以下の具合

[fail] startpar: service(s) returned failure: plymouth ... failed!

要するに、display graphical boot をコントロールするための plymouthd デーモンへ信号を送るのに失敗している、とかってことらしい。
なので、問題はなさそう。なぜなら、非graphic mode なんですから。
更に、ここからログインすると、また(笑)変なエラーメッセージが出ます。以下の具合

systemd-logind[3000] Failed to start user service, ignoring: Unknown unit: user@hoge.service

ユーザのログインをつかさどる systemd-logind が何か文句を言った後、無視する(ignore)と言っています。
どうやら GUI 関連のようで、問題はなさそうです。(ignoring と言っているので)
なので、基本的に非 GUI (コンソール状態)で普通に利用できると思います。ま、エラーメッセージは出るけどオケです。(笑)

19.1になってもエラーは出ますが、表示されることはちょっと変わりました。でも、変な表示が出ることは変わってないです。


 一旦非 GUI モードで立ち上がると、問題なくサーバに仕立てられそうだし、こんなつまらないエラーを出すままリリースするのって、なんだかもったいない気がします。ちょっと残念・・・




Sec-9.DAT ドライブは普通に使えるか?

 問題なく使えます。今、私はUSB-DAT72 ドライブを使っています。(たまに)
ドライブを USB に接続して電源を入れると、/dev/st0 が自動的に出来ます。後は

$ tar tvf /dev/st0

などとやると、DAT72テープに収めたファイルが読めます。当然、書き込みも出来ます。オケです。

 今時テープドライブ使ってデータ保存するのはシーラカンスですが、結構便利なのでたまに使います。
コンピュータと離れたところ(と言っても1−2m離れた本箱とか・・)にテープメディアで保存するので、割合と手堅い保存方法です




Sec-10.シリアル回線使ってルータ管理できるか?

 出来ます。問題ないです。

$ cu -l /dev/ttyS0

でシリアル回線が使えます。大丈夫です。
USBに繋いだシリアル回線の方は

$ cu -l /dev/ttyUSB0  -s 9600

と速度指定する必要がありますが、別段問題はないです。




Sec-11.Apache、postfix、guile、lua は簡単にコンパイル・インストールできるか?

 問題なくコンパイル・インストール出来ます。基本的に Debian と同じです。Chap-7. Sec-2. を見てください。





Sec-12.Windows 代替としての利用(ATW)

 Devuan のときは書きませんでしたが、Windows 代替(ATW)として使いやすいかどうか、私の印象を少しだけ書いておきます。つまり、冒頭に書いた c. の使い方。

プリンター、スキャナ
 最初から、私の機器(Epson PX-048A)が認識されます。wifi 経由でプリンタもスキャナも使えます。
2016年夏に Ubuntu で試したときは、まだ機種が認識されなくて(出たハナの機器だった)、自前でエプソンサイトからドライバソフトをダウンロードしました。それを入れて、プリンタ、スキャナが動きました。
2019年版の MXLinux は最初から私の機器に対する必要なドライバ類を持っています。なので、先にプリンタを設定しておいたら、スキャナは設定すら不要で使えました。おそらく、特に新しい機器でない限り、設定に苦労することは無いと思います。
すごく良好です。

ブラウザ
 デフォルトで Firefox が入ってます。バージョンが随分と新しい。どうも、MX は Firefox と Libre-office については新しいバージョンにこだわりがあるみたいです。
試してみたら、この Firefox でアマゾンプライムの映画が見られました。(user agent switcher 使わなくても)
その一方で、Google-Chrome については、パッケージインストーラにその名前があるのですが、うまく入りませんでした。インストールエラーとなります。ま、Firefox でプライムが見られるので、Chrome は不要ってことにしておきます。

2020-05-01 補足:19.1 で試したら google-chrome が簡単にインストールできました。オケですね。

メーラ
 sylpheed と sylpheed-i18n が apt install で入ります。うまく動きます。快適なメーラだと思います。

オフィス
 Libre-Office がデフォルトで入っていて、全然問題なしです。バージョンはかなり新しいです。

画像ソフト
 Gimp がデフォルトで入っていて、問題なく動きます。十分良好です。

パッケージのアップデート
 GUI の updater が常時監視していて、アップデート対象があると「やるかい?」って聞いてきます。
インストール直後にやったら、数十個のアップデートがありました。景気良くいきます。
こういうのは、ATW 前提だとすごく良いと思います。
一方で、上記 a. や b. の利用だと、むしろアップデータは動いてないほうが良いと思います。自分独自に色々入れるし・・・。
幸い、アップデーターはデーモンなので、常時動かしたり、止めたり出来ます。C. の利用なら当然常時オンですね。

以上です。



 派生元である Debian はいわゆる「プロプライエタリ」とかってソフトに対しては、どっちかと言うと排他的です。Devuan も同じような感じです。
一方でこの MX Linux は(antiX も)プロプライエタリに対して割合と寛容な姿勢で、つまり、「使えるものは使えば良いだろ」って姿勢のようです。私自身は、そういう姿勢を好ましく思います。
 こんな感じで、ATWとしても十分に充実している・・・・と思います。
なお、私はそんなにたくさんのソフトウェアを使いこなす方ではありません。気になる方がいたら、各自お試しください。
ATW 利用について、Debian や Devuan も十分に充実してますが、この MXLinux も Ubuntu に近いくらい、充実していると思います。





Sec-13.全体を通しての印象

 このセクションは私の個人的な印象のみです。

個別に書きます
a. の利用について・・・・・良好です。ただし、ちょいと不満もあります。CUI でどうでも良いようなエラーを出すところ。

b. の利用について・・・・・良好です。

c. の利用について・・・・・とても良いです。申し分無いと思います。
デスクトップはそれなりに格好良いし、パッケージもたくさんあるし、ものによっては随分と新しいパッケージだし、GUIの 設定等ツールもいっぱいあるし、アップデータも活発にやってるし。いわゆる、プロプラ系に積極的なのも評価できます。


補足
 MX Linux 18.3 をリビングルームで使うノートパソコンに入れてみました。
とても調子良かったのですが、ノートパソコンの買い替えに伴って、Mageia に変更しました。それについては、別の機会に別の Chapter で書きます。