Chap-18. antiX を試用

 Debian 派生で systemd-free なディストリ (Devuan、MX Linux、antiX) の3つ目です。バージョン 17.4.1 です。
Chap-13. Chap-14. Chap-17. と同じように、以下の3つの視点で使いやすいかどうか見てみました。
と言っても、a. と b. が重点項目です。


Sec-1.インストール
Sec-2.日本語入力の設定
Sec-3.インストール後、最初に試すこと
Sec-4.最初に試すこと
Sec-5.Windows 代替としての利用(ATW)
Sec-6.全般としての印象



Sec-1.インストール

 使うのは、メモリ8GB、SSD 128GBです。
びっくりするくらい、インストーラが MX Linux に似ています。調べてみると、MEPIS、antiX、MX Linux が兄弟であることがわかります。
なお、普通にインストールすると、パーティションは基本的に3つ。/、 smap、 /home です。マアマアですね。
インストーラをしっかりマスターすれば、/var、/tmp なども作れると思いますが、深入りはしません。3つで良しとします。
先に進みます。

MEPIS、antix、Mx Linux の歴史、wiki に書いてあります。
MEPIS
1st release   2003-05
経緯:Red Hat、SUSE、Mandriva からの派生(当時の Red Hat 系は難しすぎると問題意識を持った人達)
目的:簡単にインストール出来て、簡単に使えること
経過:途中で debian 系列になる
現状:ディスコン(最後のリリースが 2013-07 )
antiX
1st release   2007-07
経緯:人は MEPIS から派生、ディストリは debian-stable の派生
   (一部の解説サイトに debian-testing からの派生とあるけど、それ、間違いですね)
目的:簡単にインストール、軽いディストリ
現状:活動中、2019-09 時点バージョン 17.4.1
MX Linux
1st release   2014-03
経緯:人は MEPIS の人達、ディストリは debian-stable 派生、antiX のメンバーと協力体制
目的:簡単にインストール、中量級ディストリ
現状:活動中、2019-09 時点バージョン 18.3
要するに、元 MEPIS のメンバー達が antiX と MX Linux をやっている。先行している antiX のツール類を MX Linux が流用している感じ。
インストーラや各種デスクトップ上のツール類がそっくりなのが、納得。antiX が MX Linux に似ているのではなくて、 MX Linux が antiX に似ている。


Sec-2.日本語入力の設定

重要
 まず最初に apt のサイトが壊れているので、訂正が必要です。
# apt update やってデータ更新を図ると、エラーメッセージが出て、見ているサイトがダメなことがわかります。
/etc/apt/sources.list.d/antix.list に参照しているサイトが記されてています。デフォルトでは
deb https://mirrors.cat.net/mx-packages/antix/stretch stretch main nosystemd nonfree
を見るようになっていますが、このサイトはダメです。
antiX のウェブサイトで antiX Packages を見ると、たくさんのサイトが示されているので、私はカナダの上から2つ目にしました。
それで、# apt update してもエラーメッセージが出なくなりました。

 日本語表示は最初から出来ています。日本語入力ができません。なので、日本語入力のパッケージを入れる必要があります。
日本語入力の設定は MX Linux でもちょい苦労しました。こっちも、そういう意味では同様です。
最初に、MX の兄弟なら同じやり方でいくんじゃないか?と勝手に想像して、MXと同じやり方をしました。
Chap-17. と同じように # apt install hogehoge って、やりました。
でも、日本語が入力ができません。
しからば、とネット検索で出てきたやり方(パッケージインストーラ使う)でやりましたが、うまく行きません。
どうも、パッケージインストーラのやり方と、apt install hogehoge を併用すると、ダメな模様。なので、一旦クリーンインストールやり直して、パッケージインストーラを使ったやり方をまず最初にやりました。本当に、インストールして apt のサイトを直して、すぐその後に日本語入力の設定です。それで、うまくいきました。
参考にしたのは以下のサイト。

"超軽量ディストロ antiX 日本語入力環境の整え方 | PC-FREEDOM"

(URL の中に日本語文字が入っている関係で、うまく貼り付けられませんのでURLは省略)
このとおりにやったら、なんとかうまく日本語入力ができるようになりました。著者さん、ありがとうございます。






Sec-3.インストール後、最初に試すこと

 例によって普通のUNIXマシンらしく管理・設定ができるかを試します。
上に書いたことのうち、主に a. b. 利用のためのチェックをやります。
で、試すことは以下のようなことです。

以下、順に書きます。




Sec-4.最初に試すこと 

IPアドレスとリゾルバ
IPアドレスもリゾルバも簡単に管理・設定できます。
Chap-17.(MX) と全く同じやり方です。当初の /etc/network/interfaces に書いてある内容が少し違い、こっちは
ifdown eth0、編集作業、 ifup eth0 でうまく行きました。また、/etc/resolv.conf が望むとおりの内容になりました。
「/etc/resolv.conf を自分で編集するな」と書いてあるのも、MX と同じです。

/etc/rc.local
普通に /etc/rc.local が使えます。
Chap-17(MX) 、Chap-14(Devuan) と全く同じです。

カーネルアップとパケットフィルタ
基本的に Chap-14(Devuan)と同じです。
カーネルアップは Chap-7. に書いたとおりに出来ます。簡単です。パケットフィルタも問題なく、普通に使えます。

 上記の a. の使い方をやるなら、カーネルコンパイルは、ほぼ必須の事項です。
一方、b. や c. で使うなら、あえてカーネルアップしなくても、そのまま使い続けて問題は無い様な気がします。
ただし、ここ一年半くらい話題の spectre、meltdown については LAN 内部で使う PC でも対応しておいたほうが良いです。
Chap-16. を見ておいてください。

デーモン管理
簡単に管理できます。insserv を使います。
Chap-17(MX) 、Chap-14(Devuan) と全く同じです。

コンソール利用
簡単にGUIを落として、コンソール状態に出来ます。runlevel を管理するだけです。
Chap-17.(MX) と同じやり方です。ただし、MX と違って変なエラーメッセージは一切出ません。良好です。
こっちはコンソール利用(つまりサーバ利用)も、しっかり意識して仕上げてあります。その点は Devuan と同じです。

DAT ドライブ
普通に使えます。
Chap-17(MX) 、Chap-14(Devuan) と全く同じです。

シリアル回線
Chap-14. (devuan) と全く同じです。
問題なく、普通に使えます。速度指定を -s 9600 などとしなくても USB 経由のシリアル回線が使えます。

apache、postfix、guile、lua のコンパイル
普通にコンパイル・インストール出来ます。
Chap-17(MX) 、Chap-14(Devuan) と全く同じです。Chap-7. に書いたとおりです。
mail コマンドが無い点は、MX Linux と同じです。そのため、MX Linux と同じように GNU mailutils-3.7.tar.gz をコンパイル・インストールしました。make 一発です。




Sec-5.Windows 代替としての利用(ATW)

プリンター・スキャナ
Chap-17.(MX)、Chap-14.(Devuan) と同じです。簡単に設定できて、使えます。

ブラウザ
Firefox がデフォルトで入ってますが、MXみたいに新しいのでは無いです。
パッケージ・インストーラには google-chrome の項目もあり、無事にインストール出来ます。オケです。

メーラ
Chap-17. (MX)、Chap-14 (Devuan) と同じです。sylpheed がオケです。

オフィス
Libre-Office がデフォルトで入っていて、全然問題なしです。MX みたいな新しい版ではないです。

画像ソフト
Gimp がデフォルトで入っていて、問題なく動きます。十分良好です。

パッケージのアップデート
私が気がつかなかっただけかもしれませんが、MX のような GUI で動くアップデータは無いようです。
なので、# apt upgrade します。それで私は全然問題は無いですが ATW を考えると MX みたいな GUI の方が良いかもしれません。

以上です



余談
 antiX のデスクトップについて。
デフォルトで iceWM ってデスクトップ。悪くないです。
ただ、写真とか画像しか背景に使えない。デフォルトのままでは、無地の背景に出来ません。
それが、なんの気なしにデスクトップを変更し、もとに戻したら、背景に無地が選べるようになりました。なんで?
やり方は、次の通り

この No Wallpaper を選ぶと、背景の色も自分で作れて、好きな色に出来ます。
最初にこのメニューを出したときは、画像の選択しか無くて無地の背景を選べませんでした。残念に思いました。
しかし、このやり方で無地の好きな色の背景に出来ました。良かったけど、これはきっとある種のバグですね(笑)



screen



Sec-6.全般としての印象

 Devuan 同様に優秀です。
a. の利用・・・・とても良い。十分イケます。
b. の利用・・・・とても良い。十分イケます。
c. の利用・・・・私は十分イケると思うけれど、たくさんのアプリを使ったりしないので、正直言うと、よく分かりません。

いわゆる UNIX Geek に向けて、良く仕立て上げてあります。Devuan と互角。その一方で(Devuan同様)c. の利用もイケます。
気のせいかもしれませんが、何となく操作感が軽かった。反応が早いとか、軽いって意味です。軽量ディストリとして作り上げた効果でしょうか。
Devuan と同様に満足です。

これで、取り敢えず、systemd-free なディストリの試用は一段落します。多分、debian 派生では他には無いと思います。
後、あるとすると、redhat 派生で systemd-free なやつ。
distrowatch を見ていたら、一つ見つけました。PCLinuxOS ってやつ。通称は PCLOS とか言うらしい。
redhat 派生なら、安定性も大丈夫だろうし、パッケージもたくさんありそう。
もう今年は腹一杯なので、来年の夏にでも試してみようと思います。ま、来年のこと言うと鬼が笑いますけどね。