Chap-22.Mageia を試用

 例によって以下の視点でチェックします。試すのは Mageia 7.1 です。

Sec-1.インストール
Sec-2.日本語入力の設定
Sec-3.インストール後、最初にやる事及び最初に試す事柄
Sec-4.各事柄を試した結果
Sec-5.Windows 代替としての利用(ATW)
Sec-6.Printer、Scanner の利用
Sec-7.CUI モードでインストール
Sec-8.全般の印象

 1stリリースが2011年1月です。割合と新しいディストリです。
もともと Mandriva S.A という会社にかって雇われていた人たちが、立ち上げた。この時、この時点でオープンソースで Mandriva やっていた人たちも加わったようです。何か、内部分裂でしょうか。
普通は体制が不安定だと、ディストリも不安定。でも10年近くたっているので、Mageia 本体は十分安定していて、良い感じです。
ただし、マイナなディストリはリポの安定性確保に難点があることが多いです。Mageia もこの点が問題です。
Mageia はフランス産のディストリでは Lubuntu に次ぐ No.2 のディストリなので、マイナーと言っちゃうと失礼かもしれませんが・・・(笑)


Sec-1.インストール

 Mageiaのインストーラは少し癖があります。慣れないとやりにくいって意味です。
インストーラは GUI で簡単にインストールできます。ただし、以下の点に注意する必要があります。

 第一に気をつけるのは、インストール終盤にアップデートのためのメディアを有効にするかどうか、聞かれます。ブートローダのインストールが済んだあと「ここでオンラインメディアを設定できます」という画面が出ます。英語版だと「You now have the oppotunity to setup online media.」て表示が出ます。
Debian、Manjaro、CentOS、Ubuntu などでは何もしなくてもリポジトリのソース(URL)が登録された状態でインストールが終了します。しかし、Mageia の場合はここで「オンラインメディアの設定」をしないと URL が登録されません。つまり、そのままではアップデートもパッケージ・インストールも出来ない。
Debian に慣れていると「オンラインメディア?」「なにそれ?」ってなりますが、要するにパッケージのリポの URL をシステムに登録する作業です。必須の設定です。
もしも、ここで登録せずにインストールを済ませた場合、あとから登録できますが、それは Sec-3. に書いておきます。しかし、面倒な作業を後でやるより、この段階でリポジトリの URL 登録だけは、すませておいたほうが良いです。

 第二の注意点として、更にややこしいことがあって、GUI 版をインストールするときなら、そのままアップデート作業まで進んでかまいません。だけど、CUI 版(サーバ用)をインストールするときはアップデート作業はせずに、URL登録だけ(オンラインメディアの設定だけ)すませてこの画面を終了する必要があります。
CUI 版でインストール作業に継続してそのままアップデートを試みると、インストーラがハングアップします(汗)。
数回チャレンジして、毎回、全部ハングアップしてしまったので、何か、インストーラが不備(未完成のまま?)なんだと思います。要注意です。
ただし、インストールが終了し、リブートした後だと、問題なくアップデートできます。不思議ですね。

 第三に注意すること。Mageia の場合、ちょくちょくリポがおかしくなります。パッケージがインストール出来なかったり、最悪、システムのインストール自体が調子悪いことがあります。そんなときは無理せず、1週間とか2週間おいて、リポが直ったころに再チャレンジしたほうが無難です。
いやはや(汗)

最初に、悪いことを書きましたが良いこともいろいろあります。基本的にとても良いディストリです。その内容(良い点)は、以下に書きます。



Sec-2.日本語入力の設定

 何はさておき、アップデートのチェックだけはしておきます。順が前後しますが、それは Sec-3. に記載します。

 さて、インストール時に日本語選択していれば、ibus-mozc がインストールされています。まず、mozc 設定用のツールを入れます。
同じように ibus-mozc を使う Ubuntu だったら mozc-utils-gui ですが、Mageia だと mozc-tools ってパッケージ名です。多分、同じパッケージ。

# urpmi --i mozc-tools

これで ibus-mozc が設定変更できるようになります。ATOK風に ctrl + space で日本語入力オンオフできるようにします。
下の画面を出します。これがキー割当を変更できる画面です。(fig-1)

mozc1

ここで「キー設定の選択」をATOKに変えます。変えたあと、右の編集をクリックし、IME の設定項目のところを出します。

mozc2

下の図が IME の設定をするところ、ここでHankaku/Zen...のところにカーソルを持っていき、3回左クリックします。

mozc3

すると下の画面が現れます。ここで入力のところにカーソルを持っていき、Ctrlキーを押しながら、スペースバーを押します。

mozc4

すると、Ctrl Space という文字が入力されます。ここで OK を押します。

mozc5

これで、この項目については atok 風に設定できました。以下、同様に IME のところを全部こんな具合に設定します。数箇所あります。
全部設定が済んだら、 OKとか適用とか押して設定変更終了です。このあと立ち上げたターミナルなり Firefox なりで日本語入力のオンオフが atok風になります。

このやり方は、基本的に Ubuntu などでも同じです。Mageia、Ubuntu ともに、mozc の設定ツールがデフォルトではインストールされていません。それを入れて fig-1 さえ出すことができれば設定変更が出来ます。


 同じ mozc でも Debian では uim-mozc を使っています。また本ウェブサイトでは、MXLinux、Manjaro には fcitx-mozc を入れました。上記の設定方法が必要なのは ibus-mozc だけだと思います。
uim-mozc の場合は Devuan のところに書きました。fcitx-mozc は何も設定しなくても Ctrl+space でオンオフできるようです。



Sec-3.インストール後、最初にやる事及び最初に試す事柄

 Sec-2.と書く順が前後しますが、インストールしたら最初にやること、リポの設定(メディア設定)やアップデートについて


--リポURLの設定(メディア設定)--
 GUI で作業する場合
インストール時にメディア設定をしなかった場合のことです。
MageiaCC を使います。MageiaCC を立ち上げてーーーソフトウェアの管理ーーーソフトウェアのインストールと削除、に進みます。
オプションーーーメディアマネージャ、と進みます。次の画面

scrshot

もしもインストール時にリポの URL を登録していない場合、CD-ROM になっていると思います。それを削除します。
で、次に追加をやると、オンライン・リポの URL が登録されます。


リポの登録を CUI でやる場合。
ここも、インストール時にメディア設定をしなかった場合の話です。

# urpmi.removemedia -a
# urpmi.addmedia --distrib --mirrorlist

とします。一行目で既存のリポ URL (CD-ROM) を削除し、二行目で新規にリポ URL (ネットワーク上のリポ URL )を追加します。


--アップデート作業--
アップデート作業は簡単です。GUIでやる場合は、MageiaCC を開き、ソフトウェアの管理ーーーシステムを更新、に進んでアップデートします。
CUI なら、# urpmi --auto-update です。




 続いて、例によって普通の UNIX マシンらしく管理・設定ができるかを試します。
ここでは、主に視点 a. 視点 b. 利用のためのチェックをやります。

次のセクションに、順に結果を書きます。



Sec-4.各事柄を試した結果

Spectre Meltdown
 インストール完了し、アップデートも済ませた後、チェッカースクリプト走らせたら、問題なく12項目クリアしました。Core i3-4160 のマシンで試しました。
2020-08-01 最新の15項目のチェッカーで試したら、一項目パスしません。ちょっとまずいです。


IPアドレスとリゾルバ
 cui インストールしても、問題なくテキストファイルで管理出来ます。Chap-19. Sec-5.を見てください。


/etc/rc.local
 Debian と同じです。Chap-13. Sec-5.を見てください。


パケットフィルタ
 nftables も問題なく動きます。ver 0.9.0 です。良好です。


デーモン管理
 Debian と同じです。Chap-13. Sec-7. 見てください。


コンソール利用
 GUI と CUI の切り替えは Debian と同じです。Chap-13. Sec-8. 見てください。なお、Mageia は CUI インストールをサポートしています。それは本チャプタの Sec-7.を見てください。


DAT ドライブ
 Debian 同様に DAT ドライブが使えます。Chap-13. Sec-9. 見てください。


シリアル回線

以下のパッケージを入れます。

# urpmi --i uucp

ユーザを uucp, dialout の両方のグループに入れておき、/run/lock/uucp/ の所有者をroot にしておきます。
あるいは uucp.uucp のままで、chmod 775 としておきます。
それで cu が使えるようになります。
cu コマンドの使い方は Chap-basic-1. Sec-4-3. 見てください。


apache、postfix、guile、lua のコンパイル
 Chap-7.見てください。問題なくコンパイルできます。なお、カーネルは割合と新しそうだし、アップデートがマアマアの頻度でありそうだし、自分でコンパイルしなくても良いと思いました。


このセクションで試した事柄について、良い印象でした。



Sec-5.Windows 代替としての利用(ATW)

ブラウザ
Firefox ver-68.8 が入っています。これで Yahoo の動画もアマゾンプライムも視聴できます。オケです。google-chrome はありませんが、chromium はあるようです。


メーラ
sylpheed を試すと、問題なく動きます。メニューもメール本文も、もちろん日本語対応です。


オフィス
LibreOfficeが問題なく動きます。メニュー表示が日本語です。オケです。


画像ソフト
とりあえず Gimpが問題なく動きます。メニュー表示は日本語です。


アップデートやパッケージ・インストール
アップデートは、GUI の MageiaCC でやっても、 CUI の # urpmi --auto-update でも問題なさそうです。
追加で何かパッケージ・インストールする場合、GUI 、 CUI どっちも良好にインストールできます。オケです。
ただし、最後にまた書きますが、1〜2ヶ月に一度くらいアップデートできなくなります。少々、リポが不安定です。
対応方法は、わかりません。(知りません)


以上です

 全般的に、良い感じに使えます。
それと、リポで tained を有効にして、その後更新すれば、vlc で DVD が視聴出来ます。



Sec-6.Printer、Scanner の利用

プリンターの利用
 いきなり MageiaCC でプリンターの設定をやっても、うちの Epson-PX-048A は動きません。ドライバが無いからです。なので、設定と同時にドライバーを入れます。
 まず、MageiaCC で途中まで印刷設定します。
印刷設定を始めると、-task-printing-server, -task-printing-hp というものを2つ入れようとします。ここまでは、作業を進めます。(入れます)
入ったら、いったんそこで MageiaCC を終了します。
次に、ドライバを入れます。例によって Epson のサイトからダウンロードします。

http://download.ebz.epson.net/dsc/search/01/search/searchModule

上の URL から、epson-inkjet-printer-escpr-1.7.7-1lsb3.2.x86_64.rpm をダウンロードします。RedHat、CentOS 用のドライバーです。ダウンロード後、ドライバのあるディレクトリで

# urpmi --test ./epson-inkjet-printer-escpr-1.7.7-1lsb3.2.x86_64.rpm

とすると「インストールできる」て判断が出ます。出るはず、笑。なので、次に

# urpmi --i ./epson-inkjet-printer-escpr-1.7.7-1lsb3.2.x86_64.rpm

として、実際にインストールします。
この後、もう一度 MageiaCC で印刷設定を続けます。ネットワークプリンタを探し当てて task-printing-epson を入れることになります。入れます。
それで、プリンターの設定を最後までできるようになります。

テスト印刷すると1ページのカラー印刷が出力されます。Libreoffice を使って何か適当なテキスト・ファイルを打ち出すと、ページ整形されて出力出来ます。これで wifi 経由で PX-048A が使えるようになります。


スキャナーの設定
 スキャナはプリンタより簡単です。MageiaCC でスキャナの設定を始めると、「saneをインストールします」と表示されす。やります。
もう、それだけでスキャナが使えるようになります。
xsane を使って無事にスキャン出来ました。wifi 経由でスキャナとして PX-048A が使えるようになります。オケです。




Sec-7.CUI モードでインストール

インストール
 インストーラに癖があって(ちょいとインストーラの完成度が低そうって意味ですが)、慣れるのに少し時間がかかります。
慣れれば、問題なくインストール出来ます。インストール段階で、アップデートをやらないことが肝心です(笑)。

IP アドレスとリゾルバ
 Chap-19.に書いた Mageia (GUI 版)と同じです。なので、管理は楽です。

apache、postfix、guile、Lua のコンパイル
 これも、基本的に GUI 版と同様に出来ます。同じパッケージの追加でコンパイルが出来ます。オケです。

その他、rc.local、各種デーモンの立ち上げ等、etcetc
 基本的に全部、GUI 版と同じように管理出来ます。オケです。慣れれば、管理は容易です。

 こんな具合で、CUI 版も割合と管理しやすいです。その気になれば、割合と楽にサーバ運転出来そうです。


Sec-8.全般の印象

 例によって、超個人的な印象を書きます。評価の仕方と見るポイントは癖があります(笑)

まず、3つの視点での評価です。
   視点a. ・・・・・・・十分良さそうです。しかし後述の理由で、実際にサーバ運転はしていません。
   視点b. ・・・・・・・これも十分良い感じです。プログラミングでも、ネットワーク内の中枢において各種管理でも、イケると思います。
   視点c. ・・・・・・・パッケージはそれなりにあって、使いやすいと思います。ATW として十分働けそうです。

 次に安定性、特にリポの安定性について
ここは、必ずしも良い評価が出来ません。お試し利用や、リビングのノート PC に入れて実用やら、で合計4ヶ月くらい様子を見ました。その間に2回くらい、アップデート出来なくなりました。
ArcoLinux のときにも同じような印象を持ちました。OS本体は良いです。安定していて、使いやすくて、良いディストリです。
でも、リポが安定しない。アップデート出来ないときは、もうなんともなりません。
そんな訳で、リビングで使うくらいならイケそうですが、サーバを立てようという気にはなりません。今のところは・・・
ひょっとしたら、そういうときはジタバタせずに、リポが直るのをじっと待つのが正解なのかなあ・・・とも、思います。でも、私はタイプとして、そんな時はクソッて、熱くなってジタバタするタイプです。なので、こういう、リポがちょいと不安定なディストリは向いていないように思います。
もしも「少々リポがおかしくなっても、待っていれば直るんだから、じっと待つ。多分1週間とか、2週間」なんて、そんな対応ができるタイプの人なら、十分実用に使えるディストリだと思います。泰然自若、ジタバタしない人向け(笑)


 後、CUI にインストールする際、インストーラに癖があるけど、これは慣れればすむ程度の話です。