2025-10:
試す事柄
SUSE leap 16 が出ました。チェックしてみます。
かねてから、私は以下の見方で各ディストリを眺めています。また、これに加えてギーク系趣味を前提とした見方をしています。
SUSE(leap) は業務用 OS の SLE に tumbleweed のリポを追加しています。なのでサーバ用途が専門で、一般デスクトップ利用も使いやすい様に構成されています。
またギークっぽい使い方に応えられます。
なので、一通り全部の使い方を試すべきですが a) の公開サーバ用途ついては前に試して調子良かったので、今回はチェックしません。おそらく良い意味で変わっていないだろうし・・・
Sec-1.インストール
Sec-2.インストール後、最初に試す事柄
Sec-3.Windows 代替としての利用(ATW)
Sec-4.全般としての印象
インストーラが変わりました。特に不満は何もありません。例によって CUI サーバ状態でもデスクトップ利用状態でも容易にインストール出来ます。
ただし、今回試した限り Xfce4 と Gnome は気に入りませんでした。
Xfce4 は wayland になっていますが、まだ未成熟に感じます。詳細説明は省略ですが、気に入りません。
Gnome は新しくなるたびに使いにくくなる模様です。今回は tweaks が無くなっていました。これでは使う気がしません。
なので、一番不慣れな KDEplasma で試しました、汗。
例によって普通の UNIX マシンらしく管理・設定ができるか、以下の項目を試しました。ギークぽい使い方前提。
ちょっとだけクセを感じましたが、基本的に大丈夫です。
*NetworkManager を選んでおけば、IPアドレス等の管理は Debian と全く同じです。
*rc.local の動かし方も Debian と全く同じです。
*パケットフィルタは nftables が使えます。問題無いです。
*デーモン管理も systemd 前提なので Debian と全く同じです。
*GUI インストールした場合も、CUI インストールした場合も、特に管理上の違いはありません。
*各種フリーソフトウェア系のコンパイルについては、Chap-7. に書いておきます。15.x と変化が有りました。が、少しだけ工夫すれば上記の4つは全部コンパイル・インストール出来ました。
シリアル回線について
シリアル回線でのルータ制御について、大いに改良がありました。com ポート増設用のカード でも USB-RJ のケーブルでもうまくいきました。ここは Debian より良いです。
また今回は、パッケージの cu(uucp) でうまく動きました。(15.x はだめだった)
ただし、 Debian と違って dialout uucp の両グループにユーザ登録が必要です。またいくつかのディレクトリの読み書き属性が mode 750 でうまくないです。cu コマンドを打ってエラー表示が出るたびに該当ディレクトリの属性を 770 に変えます(数個)。そうすることで、一般ユーザでもうまく cu が動きました。ルータも簡単に制御出来ます。
rc.local は自分でサーバソフトを野良コンパイルして使うようなことがない限り、不要だと思います。
Emacs の設定について
最近のディストリだと普通は個人設定ファイルを $HOME/.emacs.d/init.el とします。しかし suse ではこれはうまく行きません。
emacs をインストールすると自動的に $HOME/.emacs というファイルが出来ますが、これは一旦削除。
その後で、個人の設定ファイルを $HOME/.eamcs として保存します。他のディストリのように $HOME/.emacs.d/init.el ではありません。
こうすることで emacs + 日本語 IM + X 端末で使ったときの変な動作を防ぐことが出来るようです。
このセクションもあまり書くことがありませんが、特徴を並べてみます。
*** プリンタの設定 ***
今回、ドライバのインストールは バイナリーパック (rpm)をダンロードして入れました。それで調子良く使えます。ネットワーク経由でも、usb 経由でも使えます。特に smtp サーバを動かしておくなどの準備は不要です。
*** スキャナ ***
Yastが無くなったのでネットワーク経由でスキャナ設定が出来ませんでした。なのでネットワーク経由でスキャナが使えません。
ただし usb に接続すれば simple scanner 等が簡単に使えました。今のところ、ネットワーク経由のスキャナをどう使うか、私は理解していません。
3つの視点で評価します。
視点a. ・・・今回試していません。
視点b. ・・・優秀です。Geek 風に使うのも十分対応できそうです。ただしフリーソフト系のコンパイルについては、ちょっとだけクセがありました。
視点c. ・・・割合とたくさんのパッケージがあるようです。イケると思います。
*アップデートでおかしくなることはありません。リポは安定しているようです。
*世間では Debian-stable、Ubuntu-lts ほどの評価ではないと思いますが、安定感は十分あります。ただし 16 に上がって間もないので、少し様子を見た方が良いかもしれません。
*サーバ運用でもそれなりにいけそうに思いますが実績(サーバ利用のユーザ)は少なそうです。
(後で知ったことですが、2017 年頃から富士通が SUSE をサポートしている様です。実際は SLE でしょうけど。)
*業務OSがベースの固定リリースなので、セキュリティホール等が発見されても適切な対応があるだろうと想像されます。ここは純粋にコミュニティベースの leap 時代より、今の方がずっとマシだと思います。
*今回はまだ Xfce について完成度がちょい低い気がします。GNOME は新しくなって使いづらくなりました。なので KDEplasma をお試しで使いました。これは問題無いと思います。
*以前のように packagekit デーモンが手動更新に悪さをすることは無くなりました。デーモンを動かしたままで問題無さそうです。
SUSE って設定をいじったりしたとき、他のディストリに比較してリブートする頻度が高い。マメにリブートしたほうが良いって意味です。
コミュニティがなんとなくふわふわした印象なのですが、そんな風に感じるのは私だけだろうか?
素早く上流側の更新を入れなければならないはずのローリングリリースで、セキュリティ対策に逆行するようなスローロールを始めてみたり・・・
はたまた、RedHatベースのクローン・プロジェクトに参加してみたり・・・
一体どこに行きたいのか意味不明なコミュニティです、笑。
「SLEベース+ tumbleweed リポ」ってのは良好な方向性です。先行馬の tumbleweed と 安定・堅牢版の leap に絞って、それ以外に余計なことをしないほうが良いと思うのですがね・・・
配布物は良好だし低評価する気はありませんが、このコミュニティは行動パターンが気まぐれに見えます。
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