Chap-25. Fedora を試用

ここで試すのは Fedora 32 です。
Redhat 系のディストリで、一般的な位置づけは Redhat の弾よけか・・。でも、意外と高い安定感がありました。
それに Linux 界のカリスマが使っていることで有名らしい。ただし、それを理由に評価に加点することは無いです。
Chap-24. 同様に簡略版で書きます。漏れの無いようにしつつ、簡略版です。
2021-10 補足:Fedora 34 でも試しました。Xfce 版を使いました。


試す事柄
これまでチェックした他のディストリと同じように、以下の3つの視点で使いやすいかどうか見てみました。
ただしサーバ向けとしては Chap-26. に示すサーバ向けディストリの利用が一般的だと思います。
なので b. と c. をメインにお試しします。a. は軽く触れる程度。

Sec-1.インストール
Sec-2.インストール後、最初に試す事柄
Sec-3.Windows 代替としての利用(ATW)
Sec-4.全般としての印象



Sec-1.インストール

 インストーラは3つのイメージがあると言えます。
*一つは普通のFedora(DEとしてGnomeを使った GUI システム)。
*もう一つはサーバ用の ISO イメージ。CUI インストールします。
*あと一つは Fedora spins ってちょい別のもので、Fedora に各種 DE を使ったものです。KDEplasma、Xfce、Mate、LXQT、LXDE、cinnamon があります。それぞれ別のインストールイメージ。サイトも本家 Fedora とは別です。
私は 本家の GNOME 版、spins の LXDE、本家のサーバ用 ISO を試してみました。

2021-10: spins の 34 Xfce 版を試しました。

CUI インストールしても、管理手法は GUI インストールしたものと同じです。各種ソフトをコンパイルするために入れるパッケージ等もすべて同じです。そんな具合なので、特に CUI に限定した記述はしません。




Sec-2.インストール後、最初に試すこと

 例によって普通の UNIX マシンらしく管理・設定ができるか、以下の項目を試しましたが、全部問題なしです。基本的に Debian (あるいは AlamLinux)と同じように管理できます。なので、特に解説は書きません。
各種コンパイルのために入れる必要のあるパッケージについては、Chap-7. の AlmaLinux(CentOS) のところを見てください。
なお、その際、Fedoraでは --enablerepo=PowerTools のオプションは不要です。
それと、もう一点。Fedora の場合は最初に # dnf install redhat-rpm-config としておく必要があります。

Spectre-meltdown については、Fedora 32 で問題ありませんでした(intel core i3-4160)。ちゃんと修正版マイクロコードが適用されます。
Fedora 34 チェック時には、古い Intel マシンを処分しました。今お試しに使っているマシンは Athlon 3000G で、CPUレベルで対応が済んでいます。なので、対応出来ていないCPUに修正版マイクロコードをきちんと入れることができるかどうか、もう試すことは出来ません。
それ以外のことも基本的に、すべて問題なしです。




Sec-3.Windows 代替としての利用(ATW)

 このセクションもあまり書くことがありませんが、特徴を並べてみます。

/etc/nsswitch.conf の変更箇所

#hosts:     files myhostname mdns4_minimal [NOTFOUND=return] resolve [!UNAVAIL=return] dns
hosts:      files myhostname resolve [!UNAVAIL=return] dns

ようするに、mdns の記述の削除です。

Google-chrome のインストールは google のサイトからダウンロードすれば簡単に入ります。

openSUSE のときと同様に、何か具合が悪い旨のメッセージが出ますが、無視します。




Sec-4.全般としての印象

 3つの視点で評価します。
   視点a. ・・・実際にサーバに使うかどうか別として、試した範囲で十分安定していて問題ありません。
   視点b. ・・・こちらも優秀です。Geek 風に使うのも十分対応できそうです。各種コンパイル作業も簡単です。
   視点c. ・・・それなりにパッケージがあります。まあまあ、イケると思います。

 また、アップデートでおかしくなることは、何ヶ月かお試しで使ってみて一度も発生しません。リポも安定しているようです。思っていたより、ずっと安定していて、良い感じに使えそうです。Distrowatch のベスト10に入っているのが納得です。

なお、セキュリティ上の観点でみると、Chap-26-2. で説明しているカテゴリ2と1を合わせたようなスタイルです。運用途中に突発的にセキュリティホールが発見されたとしても、このディストリなら早期対応が期待できます。

同じ Redhat グループにサーバで高評価の Redhat があります。このため Fedora をサーバで実運用する話はないだろうと思います。Fedore も悪くはないですが・・・


補足 (2020-11-10)
 十分に常用利用の候補になりそうな安定感・セキュリティ信頼感ですが、アップデート周期とサポート期間を考えると、常用化はためらいます。サポートが短期間すぎます。
33 が出て3ヶ月くらい様子を見てからアップしたいとします。すぐにアップすると色々と不具合があるし。
31からのアップだと2ヶ月くらいサポート切れになります。それではセキュアとは言えない(汗)。
そうなると32からアップしないといけませんが、それだと半年ごとにアップグレードまたは新規インストールし直す必要があります。いや、それは忙しすぎ(汗)。
そんなわけで、常用化対象にし難いです。とても良いディストリだと思いますが・・・・