Chap-29. GeckoLinux の試用

初稿:2020-11  修正:2021-07 及び 2021-09
 openSUSE の派生ディストリで、パッケージ管理は rpm 形式。systemd 採用しています。
2016 年最初のリリースなので、歴史はあまり長くない。
ネットには、openSUSE と GeckoLinux の関係は、Ubuntu と Mint の関係に近いと書かれています。いろいろ便利なものが入っているらしいです。Ubuntu - Mint 間では、派生 Mint の方が人気ですが、こっちはそうじゃない。Distrowatch 60 位前後の超マイナーなディストリです。
openSUSE-leap をベースにした版と、openSUSE(tw) をベースにした版があります。SUSE で tw のほうで試用しました。なので、Gecko も tw ベースの RR(rolling release 版)を試します。
2020-11 時点では、DE は XfceとGNOME を試しました。全般的に良いと思いますが、多言語対応については雑な仕上がりでした。
2021-09 時点でも GNOME と Xfce をチェックしました。多言語対応のところが良い感じに直っていました。全体に良いです。

試す事柄
 私の通常のチェック(見る視点)は以下の3点です。

 ただし、このディストリはCUIサーバインストールをサポートしていません。なので、主にb.c.についてチェックします。

Sec-1.インストール
Sec-2.インストール後、最初にやる事。最初に試す事柄
Sec-3.Windows 代替としての利用(ATW)
Sec-4.全般としての印象



Sec-1.インストール

 DE ごとにインストール ISO イメージがあります。主だった DE はありそうです。CUI インストールの ISO イメージはありません。
お試しはローリングリリース版(新しいのをどんどん入れていく版)です。

 インストーラは Calamares を使っています。とても使いやすい。最近は Calamares を使うディストリが増えました。




Sec-2.インストール後、最初にやる事。最初に試す事柄

------------- 最初にやる事 -------------
 **まずアップデート**
SUSE や Gecko の場合は

# zypper refresh
# zypper dup ・・・これはdist-upgradeの略らしい  

だと思います。Gecko の場合、このアップデートが遅かったのですが、2021 秋時点では随分ネット環境が改善されたようです。
ダウンロード時間が早くなりました。


 2020-11 時点では メニュー等の日本語化に一苦労しました。ロケール指定がスンナリいかない。雑な作り。
それが 2021-09 時点で試したら、GNOME 版なら単にインストール時に日本ロケールにするだけで、インストール後のOSのロケールがちゃんと日本になっていました。
また、Xfce 版でもほとんどの項目でロケールが日本語対応になっていましたが、一部USになっています。なので、Xfce で行くなら、.bashrc または .bash_prfile に一行
export LANG=ja_JP.utf8
を加えます。GNOME でいくなら、何もしなくて良いです。
2020-秋にインストールした時より、ロケール関係が格段に改善されています。

**次に、言語パッケージインストール**
 次は言語パッケージインストールです。
不思議なことに、この言語パッケージインストールの最終段階で、始めて ucode_intel ってのが入りました。カーネル再構築してるのが見て取れます。
例の sepctre-meltdown への対応です。なぜ最初の # zypper dup で入らなかったのか理解できません。が、これでちゃんと spectre-meltdown に全項目対応できますのでオケです。細かいことは言いません(笑)。



**三番目に日本語入力を設定(Xfceの場合)**

 今度は、日本語入力できるようにします。
Yast のパッケージインストーラで探したら fcitx-mozc がありました(Xfce用)。ibus-mozc もあります(GNOME用)。これを入れます。関連で色々入れてくれます。
Xfce の場合 fcitx-mozc を入れ、さらに後々のために、fcitx-gtk2 と fcitx-qt5 も追加で入れておきました。gtk2 は sylpheed で日本語入力するときに必要です。これがないと sylpheed で日本語メールが打てない(表示は出来ますが)

インストールが無事に終了してリブートしても、fcitx-mozc が立ち上がりません。トホ、です。
「セッションと起動」を見てみると、ちゃんと fcitx が起動するようになっています(下の図)。
でも、実際には fcitx は立ち上がっていません(笑)。なんともまあ。

shot-03

そこでやむなく個別に指定して fcitx を立ち上げます。

######### .bash_profile に追加
export GTK_IM_MODULE=fcitx
export XMODIFIERS=@im=fcitx
export QT_IM_MODULE=fcitx
###
fcitx -d  > /dev/null 2>&1
###

定番の書き方です。.xprofile を使ってみましたが、そっちではダメでした。.bash_profile の方に書き足せばうまくいきます。
リブートしてみると、fcitx-mozc の表示が現れました。ctrl + space で IM が起動して問題なく日本語入力できます。
下の図で、aとなっているのが fcitx-mozc のアイコンです。日本語オンにすると、これが例のオレンジ色の「あ」になります。

gecko-fcitx

fcitx -d の後ろの記述は UNIX 系 OS でよくある記述。これを入れておかないと、他のマシンから ssh などでリモートログインしたときに「fcitx はもう動いてるだろ! 2つは起動しなくて良いだろ!」ってエラーメッセージが現れます。うっとおしいのでこのメッセージを消します(笑)。



**三番目に日本語入力を設定(GNOME の場合)**
 GNOME の場合は、 ibus-mozc ibus-gtk ibus-gtk3 を適当に入れました。
以下、DEの「設定」ーー「keyboard」で IM を設定するだけで日本語入力出来ます。ここは GNOME の方が Xfce より格段に楽でした。
2020-11 2021-09 ともにうまくいきます。オケです。
(ibus-mozc の設定はChap-27に書いてあります。)


以上でインストール直後の最初の設定、日本語化が完了です。





------------ 最初に試す事柄 ------------------
 アップデートと日本語対応が出来たら、いつものチェック項目です。
 例によって普通の UNIX マシンらしく管理・設定ができるか、以下の項目を試しましたが、全部問題なしです。
各種コンパイルのために入れる必要のあるパッケージについては、Chap-7. の SUSE(tw) のところを見てください。
コンパイルのやり方も基本的に SUSE と同じです。

基本的に、すべて問題なしです。Debian や opsnSUSE(tw) と同様の管理です。
SUSE でもそうでしたが、Gecko もシリアル回線の番号が普通じゃないです(笑)。
私の場合、PCIe にシリアル回線増設のボードを刺しています。そのボードのシリアル回線の番号が、ちょっとおもしろい。
Debian、CentOS、Ubuntu系、Manjaro、Mageia、Fedora 等でやると /dev/ttyS0 と /dev/ttyS1 になるところが、なぜか /dev/ttyS4 と /dev/ttyS5 になりました(^^)。多分、使っているハードに応じて柔軟に番号をふってるんだと思います。なので、使う機器に応じて、その都度違うかもしれません。
これは多分、SUSE と Gecko だけの特徴(笑)。
だからと言って、何も問題はありません。シリアル回線からのルータ制御も快調です。
日本語化に多少の手間はかかりますが、このセクションは基本的に問題ありません。




Sec-3.Windows 代替としての利用(ATW)

 このセクションはあまり書くことがありませんが、特徴を並べてみます。

 ネットの評価では「SUSEがデフォルトでは入っていいないものが Gecko には入っている」とか「SUSE Gecko の関係は Ubuntu Mint の関係と同じだ」とか書かれています。そこが評価されているようです。
しかし、デフォルトで DVD が視聴できる MX、Mint、Mageia、Manjaro、ArcoLinux、EndeavourOS 等とは違います。きっと、ひと工夫必要(笑)。

**プリンタ設定**
 プリンタ設定については Chap-32. にまとめました。そちらを見てください。
私のプリンタ(PX-048A)の場合、ドライバ等を最初からもっていました。このため直ちに Chap32. の Sec-5. でプリンタ登録できます。Wifi 経由でプリンタが使えます。


**スキャナ設定**
 Yast を使います。デフォルトではスキャナー設定のツールがインストールしてないので、まずそれを入れます。

# zypper in yast2-scanner

これであとは yast から設定すればオケです。デフォルトで入っているシンプル・スキャナでも、追加で xsane を入れても、スキャンできます。



こんな具合で、プリンターもスキャナも wifi につないだ Epson-PX-048A が使えます。このセクションも、何も問題ありません。




2021-07 補足 (chap-24. SUSE のところのコピーです)
 ディストリ固有のVLCを使って、市販DVD再生してみます。
Chap-31.に書いたようにFlatpak を利用してVLCをインストールすると、おそらく簡単に再生できると思います。でも、ここではディストリ固有のVLCにcodec を追加インストールして、市販DVD再生を試みます。

 1)まずディストリのVLCをインストールします。
 2)次にcodecパッケージのダウンロードとインストールです。パッケージをダウンロード出来るサイトは「Linux libdvdcss download」と検索すると簡単に見つかります。以下のサイトです。

https://pkgs.org/download/libdvdcss 

このサイトのSUSEをたどっていくと、

https://download.videolan.org/pub/vlc/SuSE/Tumbleweed/x86_64/libdvdcss2-1.4.2-2.7.x86_64.rpm

にあるのがわかります。これをダウンロードするだけ。(上記URLをブラウザのURL欄に貼り付ければダウンロード出来ます)
codec をインストールするのは、ダウンロードした libdvdcss2-1.4.2-2.7.x86_64.rpm を置いたディレクトリで

# zypper in ./libdvdcss2-1.4.2-2.7.x86_64.rpm

とするだけです。これで必要 codec がインストールされます。
以下、ディストリのVLCで市販DVDが再生できます。







Sec-4.全般としての印象

 最初に、3つの視点で評価します。
   視点a. ・・・CUI インストールが無いので評価対象外。
   視点b. ・・・問題ないです。Geek 風に使うのも十分対応できそうです。各種コンパイル作業も簡単です。
   視点c. ・・・割合とたくさんのパッケージがあるようです。イケると思います。

*Chap-26-2.でいうカテゴリー3(2の派生)です。なのでセキュリティーホール等へは、マアマアの早期対応が可能だろうと予想されます。
*なぜだか、インストール時間が妙に短い。はやくインストールできます。
*リポも安定しているようです。長期的にチェックしても大丈夫でした。
*Gecko は全般的に描画が美しいですが、最近 openSUSE も綺麗な描画になった気がします。
*安定性は良いです。
*2020-秋頃は多言語対応がかなり雑に出来ていましたが、2021-09 時点では大きく改善されています。
*UNIX 系OSとしては、SUSE よりもこちらの方が素直な印象で、私としては高評価です。
*Windows 代替系の使い方も、けっこういけると思います。