Chap-30-2. RedHat クローン で mozc を使う

2023-12

 2023年秋から冬にかけて急に Chap-30-2 へのアクセスが増えました。
チェックしてみたら RedHat クローンで flatpak 版の mozc がうまく動かなくなっていました。
なので、対策を書きます。
最初に方向性を書いておくと、自分でコンパイルして ibus-mozc をインストールします。2023秋・冬だとそれが一番正常に動くと思います。2022 版は一度キックをいれるような事をしないとコンパイル版 mozc がうまく動きませんでした。
しかし 2023秋・冬のコンパイル版だとキックしなくても正常に動くようで、調子良いと思います。



Sec-1.Git から ibus-mozc を RedHat クローンで構築する
Sec-2.雑感




Sec-1.Git から ibus-mozc を RedHat クローンで構築する 

 コンパイルにチャレンジです。
まず準備として epel-release を有効化します。(Chap-30 参照)
また、/etc/yum.repos.d/ の中のリポを全て enabled=1 にして有効化します。mozc 関連のコンパイルはいろんなパッケージが必要です。いちいち該当リポを探るのは大変なので、全部有効化しておきます。
bazel が必要ですが RedHat クローンのリポには無いので flatpak から入れます。flatpak はパスの通っていないところにインストールするので、ファイル場所を探りパスの通っているところに適当にシンボリックリンク貼っておきます
作業前に入れておくパッケージは以下のものです。

libtracecmd libtracecmd-devel extra-cmake-modules xcb-util*
dbus-devel libevent-devel libuuid-devel fmt fmt-devel libxkbfile-devel expat-devel libxkbcommon-x11-devel libxkbcommon-devel
iso-codes-devel xkeyboard-config-devel json-c-devel wayland-devel wayland-protocols-devel enchant2-devel
gobject-introspection-devel python3-pkgconfig python3-colcon-pkg-config gtk2-devel gtk3-devel gtk4-devel
qt5-devel
ibus-devel
qt6-qtbase    qt6-qtbase-devel

xcb-util* の後ろはアスタリスク付いてます。
2023になって最後の qt6 関連が必要になりました。

パッケージインストール以後の作業はシンプルです。基本的に Chap-27. Sec-7. の ibus-mozc のコンパイルのところに書いたとおりです。






Sec-2.雑感

 コンパイル終了しインストールも終了したとします。次は mozc 設定作業です。ほぼ必須の作業、笑。
mozc 設定をするところで mozc-tools を動かすとき少しだけもたつきます。キーボード配列を表示したり、リブートしたりアクセク・アクセクすると mozc-tools が動くようです。
設定が終わったあとはリブートして、以下(多分)正常に mozc が動くと思います。2022 コンパイル版より明らかに調子良いです。

 今回のコンパイル作業は RedHat クローンのうちオラクル版を使いました。Alma でも良かったのですが、オラクルとかRocky のほうが将来に openELA につながっていきそうなので openELA 系にしました。
残念ながら Rocky はインストールがうまくいきませんでした。うちのマシンとインストーラの相性が悪そうです。オラクル版はうまくいきました。
少し前の UNIX 全盛時やフリーソフト時代を知っている人だと「オラクルはけしからん」なんて感覚かもしれません。
しかしこの世界、昨日の敵は今日の友です。20数年前に極悪非道だったマイクロソフトは今やオープンソースの模範的フレンドリー企業のようです。インテルも静かにオープンソースに寄り添う姿勢が好印象です。
その一方でかってオープンソースに理解を示していた IBM が随分と姿勢を転換してしまいました。
そんな中、オラクルは今はオープンソース系を擁護する立場をとっているので邪険にする必要は無かろうと判断しました。
どっちかというと自分は「過去の経緯より今が大事」と考えるタイプです、笑。




一つ前の版です   https://www.quinos.net/topicu-2/topicu-2.01.html